相続に関する制度について

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ご挨拶

平素より大変お世話になっております。
岡野法律事務所の弁護士土田礼二朗と申します。

さて、今回はご自身が相続人となる場合に備え、相続にまつわる不利益を軽減することができる制度をご説明したいと思います。

相続にまつわる制度について

1. 相続放棄
2. 限定承認

被相続人が亡くなられて相続が発生したとき、相続の対象となる財産は、土地・建物、預貯金、借金など多岐にわたることがあります。

そのまま相続すれば、借金を含む全ての遺産を引き受けることになるところ、借金の合計金額を正確に計算できているか不安な場合もあると思います。

相続放棄

そうした場合、相続放棄の申立てをすれば、財産を全く受け取れない代わりに、借金を一切引き受けないことになります。

相続放棄を検討する際に気をつけなければいけないことは、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から(被相続人が亡くなり自分が相続人になったことを知った時から)3か月以内に、家庭裁判所に対して申立てをしなければいけないということです。

また、相続放棄の申立てが可能となるのは、相続が開始してからなので、事前に相続放棄しておくこともできません。

限定承認

一方で、限定承認とは、簡潔に述べますと、相続によって得た財産の限度で借金を弁済することを留保して相続するというものです。

この説明からすると、とても都合の良い制度のように見えますが、相続放棄と比較すると、あまり使用されておりません。

その理由として、まず、相続人が複数いる場合には、共同でしなければならないことが挙げられます。

また、限定承認の申立ての際には相続財産の目録を作成する必要があり、申立後も相続財産の管理を継続し、借金を弁済する必要があります。

以上のようなデメリットはありますが、借金より財産の方が多い可能性があるが明確でない場合には、限定承認の申立てをする意義があります。

その他の制度について

これまで説明した制度とはやや内容が異なりますが、来年の4月から相続土地国庫帰属制度というものが施行されます。

これは、不要となった土地を国が引き取るという制度です。

もっとも、国が引き取ることができるとしている土地は、境界が明確であることや、所有者が明確であることなど様々な要件が定められ、実際に不要な土地を引き取ってもらえるかというと、厳しいと予想されています。

またこの制度で引き取って貰えるのは土地のみであり、建物は引き取って貰えません。

まとめ

現時点での日本の制度では、借金や不動産を相続した後に、翻して無かったことにすることは著しく困難です。

また、財産を相続すべきか、放棄をすべきかの判断は難しい場合があります。

そして、その判断に時間をかけてしまいますと、上記で説明した3か月を過ぎ、相続放棄も限定承認もできなくなるおそれがあります。

そのため、相続が発生して対応に困った際は、お忙しいとは思いますが、弁護士に相談することをお勧めいたします。

ご高覧いただきましてありがとうございました。

今後とも岡野法律事務所をご贔屓いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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